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    アニメ・ラノベの同人小説倉庫

    □ ゼロの使い魔 □

    弟がピンク髪の美少女連れてきた

    ゼロの使い魔F最終回を見て荒ぶった結果こうなった。


    結婚式後、才人の実家に挨拶に来た二人の
    いちゃつきっぷりをゆるギャグでお送りします。

    語り手……才人の姉。原作にはいません。



    ***

     仕事のオフに、ひとりリビングでだらけていた日中のことだった。
     インターホンの音がしたので、何の気なしに応対したら。

    「い、いよう……姉ちゃん」
    「……あ、あんた」

     失踪していた弟が帰ってきた。

    ***

     どこに行っていたのかとか、どういうことなんだとか、
    ひととおり質問攻めにしたものの、弟の返事はどうも要領を得ない。
     立ち話もなんなので、とりあえず家に入れた。

     もう1年あまりになるというのに、いつもと変わらず元気そうだ。

     それはいいんだけど、なぜか女の子が一緒にいる。
    染めたのじゃない、本物の桃色の髪に、
    ハリーポッターのコスプレみたいな格好をしてる。

    「ええと……そちらのお嬢さんは?」

     ちんまりした女の子は、びっくう! と肩をこわばらせた。
    その肩に手をかける我が弟。ずいぶん距離が近いじゃないの。
    どう見ても恋人同士か、あるいはそれ以上じゃない。

    「姉ちゃん、紹介するよ」

     弟とその女の子は目と目で会話をしつつ、そっと彼女の体を押した。

     一歩前に出る女の子。
     おおげさな身振りでスカートの端をつまみ、慣れた動作で一礼。

    「は、はじめまして、おねえさま。
    わたくし、ルイズ・フランソワーズ・・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールと申します」

     ルイズ……なんですって?
     ガイジンさんっぽいルックスに似合わず、
    それはきれいなアクセントの日本語だった。

    「とつぜんのご挨拶で申し訳ありません。
    さぞ驚いてらっしゃることでしょう。
    ひとつずつ、順を追ってご説明しとうございます」

     わー、敬語がすっごく上手。私よりうまいかも。

    「私と才人、いえ、弟さんは、このたび、トリステインの流儀に則り、
    け、けけけけ、けっ……」

     と思えば、いきなりどもりはじめた。
     緊張して顔を真っ赤にする女の子――ルイズさんの手を取り、
    弟が後を継ぐ。

    「結婚したんだ、俺たち」
    「……はあ」

     トリステインってどこだろう。ヨーロッパにそんな国あったっけ?

    「……ようするに国際結婚したいと。その報告に来たのね?」
    「違うんだ、もう結婚したんだよ」
    「やだなー、いくらお姉ちゃんがアホでも、未成年の国際結婚が
    そーそーほいほいできるもんじゃないことぐらい知ってるよ。
    お父さんとお母さんのサインぐらいいるんじゃないの?」

    「こちらの流儀がどのようなものかは存じませんが」

     ルイズさんが割合はきはきと答えてくる。

    「才人は、トリステインではすでに貴族に叙せられています。だから――」
    「ル、ルイズ。ちょっと待って」

     貴族? この子は何を言ってるの?
     反応に困って弟を見たが、こちらの視線は一切無視で、
    なにやらごにょごにょ二人で密談をはじめた。

    「……姉ちゃん、信じてもらえないかもしれないけど、ちゃんと話すよ」

     弟が一歩前へ。

    「俺さ、異世界に行ってたんだ」

    ***

    「そう、ハルケギニアで、使い魔として召喚されて。大冒険をしてきたのね」

     二人の真剣な視線が痛い。
     どこまでも本気の目をしてる。

    「分かった。お姉ちゃん、いい病院紹介してあげる」
    「ち、違うんだよ! 本当なんだ!」
    「病気の人ほどそう言うって、お姉ちゃん習った。
    あ、そうそう。お姉ちゃんね、ヘルパーの資格取れたよ」
    「そっか、おめでとう。すっげー勉強してたもんな」
    「もう一年も前の話だけどね」

     そこではじめて、弟がふっと遠くを見た。
    隣のルイズさんが、心配そうに服のすそをつかんでいる。

    「……父さんと母さん、元気?」
    「まあね。でも、さすがにあんたがいなくなった後はひどかったよ。
    帰ってきたら、拳骨の一発や二発は覚悟しなよ」
    「うん……」

     うるうるしはじめた才人につられて、ルイズさんも目を赤くする。
     ていうかね、ナチュラルにぴったり寄り添い合いすぎじゃないかね、君ら。
    親族の前なんだからちょっとは自重しなさいよ。

    「姉ちゃん、俺っ」

     感極まったのか、弟はガン泣きだ。

    「毎日ただなんとなく過ごしてたけどさ、
    ハルケギニアに行って、大事なもんがいっぱいできて。
    ルイズに会えて、俺、本当によかったと思ってるんだ」

    「……うん」

     弟の横で、ルイズさんもぐすぐす鼻をすすっている。

    「勝手だって分かってるけど、俺は向こうで暮らすつもりなんだ。
    行き来するための魔法にもいろいろリスクがあって、
    そう何度も帰ってこれないから、姉ちゃんと会えるのも
    これで最後かもしれない。でも俺、これだけは言える。
    俺はいま、すごく幸せだよ。
    ルイズとも約束したんだ。一生一緒にいようって」

    「才人ぉ……っ!」

     ルイズさんは弟の肩を抱いて、泣き始めた。

    「ごめんね、ごめんね才人」
    「バカルイズ、なんでお前が謝るんだよ」
    「だってだって、私のせいで才人はもう故郷に帰ることも、家族と会うことも」
    「ルイズがいるだろ」

     もしもーし。君ら、私がいること忘れてない?
     弟とその彼女は、すでにお互いの毛穴しか見えないぐらい
    デキあがっていた。

    「才人……!」
    「ルイズ……!」

     ちょっ、まさか、ちゅー? ちゅーするの? え? ちょっと?
     ……あー。やりやがった。
     弟はルイズさんのかわいいおくちをちゅっちゅちゅっちゅ吸いながら、
    手を胸に添えた。

    「だ、だめよ才人、おねえさまの前でそんな……っ」
    「でももう、止まれないんだ」

     え、お、おっぱい? 待って、お姉ちゃんは割と話の分かる方だと思うけど、
    さすがにそこまで……え、揉むの? 揉んじゃうの?
     そんな薄い揉むとこもないような胸ふにふにするとこ見せられても、
    ちょっと、ちょっとちょっと?

    「だめぇ、恥ずかしい……!」

     気がつけば、弟がこちらにとがった視線を送ってきている。
    ワカゾーのボンノーは恐ろしい。もうね、目が言ってる。
    『たのむ! 姉ちゃんどっか行ってて! 20分ぐらいで終わるから!』

     別にいいけどね。お姉ちゃんは悲しいです。
     弟のそんな性欲まみれのギラギラした顔なんて、
    できれば見たくなかったよ。

     そっとソファを立ち、完全に私が目に入ってない二人を横目に、
    リビングを脱出し、二階の自室へ。

    「そんなとこ触っちゃダメぇ……!」

     いったいどんなとこ触ってるの。
     いいややっぱ、聞きたくないから。
     遠くからかすかに聞こえる悲鳴を、ドアを締め切り、シャットアウトした。

    ***

     ――コンコン。
     ノックの音がしたので、ドアを開けてやると、
    非常にすまなそうな顔で弟が立っていた。
     よく見ると顔にはアザがあるし、髪もちょっとコゲくさい。

    「終わったの? けっこう早かったね」
    「おほほほほ、おねえさま、お見苦しいところを失礼しましたわ」

     ルイズさんが、後ろから弟を蹴っ飛ばす。

    「……ってー……ごめんって、姉ちゃん」
    「誠意がこもってないわよ!」

     目を△に釣りあげて、ルイズさんが弟を叱り飛ばした。
    ……尻にしかれてやんの。

    ***

     その後、お父さんとお母さんが帰ってきて、弟は
    しこたま殴られ、泣かれ、病院を呼ばれかけた。

     すったもんだのあげく、一緒にご飯を食べた。

     ハンバーグもきんぴらごぼうも豆腐とほうれんそうのおひたしも、
    日本かぶれの(そんなにきれいな日本語が喋れる)ガイジンさんには
    珍しくないものじゃないかなって思ったけど、たどたどしい箸の使い方に、
    お父さんもお母さんもメロメロだったっけ。

     お風呂に入ってもらったところで、
    今夜は泊まっていきなさいってことになった。

    ***

     弟の部屋は以前とまったく変わらずに置いてあった。
     私の部屋の隣、ふすま一枚へだてた向こう。

    「……父上も母上も、才人にそっくりね」

     ルイズさんの笑い声が聞こえる。

    「しっ。聞こえるって。壁薄いんだからさ」
    「ごめん」

     ひそひそと声を小さくしたものの、やっぱり何を言っているのかまで
    はっきり聞こえる。

    「おねえさまも、才人にすっごくそっくり」
    「そーかなあ?」

     ……そーかなあ?

    「真っ黒い髪とか、だらんって手を垂らして立つところとか。
    なにげない喋り方のクセとか、……笑った顔がすっごくやさしいところとか」

     楽しそうですね、ルイズさん。
     くすくす笑う声に、幸せで仕方ないっていう色が乗ってる。

    「大好きな才人の家族に会えるなんて、夢みたいだわ。
    本当は諦めてたんだからね」
    「またいつでも来ればいいじゃないか」
    「ダメよ、才人はもうヴァリエール家の跡継ぎでもあるんだから。
    ……もう、どこにも行かせないわ」
    「バカだな……約束しただろ? どこにも行かないって」
    「才人、大好きよ……」
    「ルイズ、愛してる……」

     あーはいはい。
     勝手にやってて。お幸せにね。

    「……んっ」

     しゅるしゅると布団や服がこすれる音がした。
     ……まさか、君ら……

    「……あぁっ……」

     ルイズさんの色っぽいため息が聞こえたあたりで、
    さすがに限界だと思った。
     のどに手をやり、わざとらしく咳をする。

    『ごっほん、ごっほん!』

    「……」

     ふすまの向こうで、ぴたっと、動きが止まったのが分かった。

    ***

     異世界だとか、ハルギニアだとか、信じたわけじゃないし、
    二人そろって変な新興宗教のえじきになってる可能性も考えたけど、
    なにしろ心配するのがバカらしくなるほど当人たちが幸せそうなので、
    お父さんとお母さんには私からもうまく言ってやることにした。

     二人はまだ反対しているけれど、それも時間の問題でしょう。

    「次にくるときは、なんかおいしいもの持ってきてね」
    「おう! シエスタの作るアップルパイは最高なんだぜ!」

     異世界にいけるとかいう、ドラえもんのどこでもドアーみたいなゲートをくぐる弟に、
    手をふって送り出してやっている時の私は、まだ知らなかったのです。

     シエスタっていうのが専属のメイドさんで、
    弟の、なんでかたっくさんいる愛人の一人だってことなんて、まだ、何も。


    ***


     ゼロ魔Fの最終回に感動してむせび泣いた結果こういうことになった。
     反省はしていない。

     ルイズちゃん、才人とお幸せに。





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    Date:2012/06/02
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